この投稿はConoHa Advent Calendar 2023の6日目の参加記事です。
こんにちは、手倉テイムです。まずはConoHa10周年、おめでとうございます!
実は自分が個人サイトの運用を始めてから10年。「レンタルサーバーで動かしづらいアプリを動かしたい」という理由でConoHaにサーバーを移設したのは2014~5年ですが、開始時期だけで見るとこのサイトとConoHaさんは同い年だったりします。蛇足ですが、当時は音楽サークルとして発足したな、このサイト……。
今や様々な業界で公式キャラクターがいるのはスタンダードになりつつありますが、まだVTuberという文化がない時代から美雲このはさんを起用することで親しみやすさを持たせ、ITイベントでコスプレで出展する(僕がConoHaを知ったきっかけ!)など、けっこう当時から「何かが違う」サービスでした。
このはちゃんが可愛いだけでなく、かなりライトに始められて、ConoHaチャージのおかげでクレジットカードを持てない学生でも扱いやすく、性能もSSDなローカルマシンを触るくらいめちゃ速、というのは、今考えても凄いな、と思います。
初期の頃は特に「お」で始まる某4文字を言われまくっていたし、僕も「まあ……座敷童だしスタンダードなのか……?」と思ったものです。
さて、世の中では「推し」というワードが浸透しています。日曜朝では自分のお気に入りのヒーローを「推す」キャラクターが登場したり、完璧で究極なアイドルが世間を圧巻したり(知人に「まだ触れていないなら未読のまま1話見て!」と言って反応を楽しんだのは秘密)、推し方の形も様々です。
ということで、そんな「推し」の世とConoHaって実はシナジーがあるのでは……?と思ったので、いくつかユースケースを考えてみた……というのが今回の記事です。
Advent Calendarという文化が元々そのような文脈を持つこともあり技術的な話が多い中、かなり異質な話であると自覚はありますが、どうかご容赦頂ければ。
推しを「応援する」
近年はファンサイトだけでなく「二次創作として推しが喜ぶものを作る」という文化も広がりつつあります。
このサイトはConoHa VPSで稼働させていますが、コンテンツの公開だけであればConoHa WiNGという選択肢もあります。ではファンサイトに留まらない「推し活」の形で役に立つケースといえば……?をいくつか考えてみました。
ファンゲーム
近年のVTuber業界の中では「ファン制作の二次創作ゲーム」(以下ファンゲーム)という概念が存在します。
それまでもファンゲームという概念は存在していましたが、Vampire Survivorsライクなタイトルである「ホロキュア」の成功以降、ファンゲームの動きは活発化しているように感じます。
先日カバー株式会社が「hololive indie」というレーベルをパブリッシングを手掛ける子会社と共に発足し、デベロッパーが版権元と協力しながら有料販売できる体制を整えた、というニュースを目にした方も中にはいるでしょう。
さて、近年よく使われるゲームエンジン(Unity、Godot)はWebGL出力にも対応しています(Unreal Engineはいつの間にかコミュニティによるプロジェクトに移行した模様)。
今話題の「8番出口」のようなリッチな表現はかなりチューニングの必要性があると思いますし、今年大ヒットした「スイカゲーム」のような2Dのほんわかしたジャンルであればブラウザーから遊べる!はかなりアドバンテージになるかと思います。
ConoHa WiNGであれば一緒に初期ドメイン(例:example-diglateam3.conohawing.com
)が発行されますし、かなりの高負荷でなければサーバーサイド側の都合で読み込みで躓くこともないでしょう。
昨今はSteamやUnityroom等の「出しやすい」仕組みもありますし、その一方でアツマールの終了などゲーム共有サイトの閉鎖も起きていますが、かつてのFlashゲームのように「サーバーを借りて個人サイトでゲームを公開して成長していく」という文化がまたリバイバルしてほしいな、と個人的には思っています。
ゲームでなくとも最近はWebXRがありますし、近年は周辺環境を反映したAR表現もできるようになっているので、「推しのマスコットをリアルに召喚してみた!」系が来年こそ流行るといいなあ……。
コミュニティ運営
今年はX(旧Twitter)の迷走をはじめ、コミュニティの運用に課題が見える事態もありました。
各社が独自でコミュニティアプリを出すことについて、それまでは「必要性があるのか?」という空気がどこかありましたが、一気に「独自で持たないと告知等が滞りファンに届かない恐れがある」という危機感に変わったのは今年を象徴する一幕だったと思います。
恐らくファンコミュニティ運営で第一に上がるのはDiscourseかなと思います。特に前者は様々なサイトのフォーラムで採用されており、プロジェクトとしてもアクティブです。ローカルでテストしたことがあるのですが、モデレーター機能も充実しているのはアドバンテージになるでしょう。
Discordが現代のファンコミュニティの要になっていますが、やはり長く続けているとチャットならではの「弱み」が見えてきます。
「ホロプラス」のように敢えてここで古き良きフォーラムベースに戻る、という選択肢を取り始めるコミュニティもそろそろ出てくる頃かなと。
推しを「生み出す」
ConoHaが活きるのはファン活動だけではありません。オフィシャルな開発でもConoHaが活きてくるでしょう。追加ディスクを契約することも可能ですし、オールSSDでストレージがボトルネックになることはあまりなさそうで、実はけっこう向いている説があります。
ちなみにオブジェクトサーバーも存在します。モダンな開発であればだいたいカバーできるかも?
余談ですが、これから述べる用途はだいたいConoHa VPSのテンプレートとしてすぐに立ち上げられるようになっています。手厚い。
製作過程データのチーム共有
最初に思い浮かぶのが「Dropbox等やギガファイル便などに依存しない制作過程データのチーム内共有」かと思います。これを実現するプラットフォームだとNextcloud等が存在します。
Nextcloudは実際にサークル(DiglaWorks)として自分も制作物の相手先との共有等に使っており、門外不出を保証されなければならないワークフローでは特に効果を発揮してくるでしょう。あくまでクラウドストレージ方面向けの機能で推奨されていませんが、サーバーサイドで暗号化を施し念には念を入れる、ができるのも強いポイントです。
コードのリポジトリ
制作過程で生み出されるのは音声や動画だけではありません。それを魅力的な形で動かすコードも存在します。昨今ではGitHubがよく選ばれがちですが、GitLabのような選択肢があるのも忘れてはいけません。
大手でも採用例が多いようで、例えばSteam Deck関連の一部ファイルはGitLab上での管理になっているようです。うっかり漏洩すれば悪影響が及びかねない要素の代表として挙げられるコードも、自分(たち)で管理すればある程度の安全を確保できますし、自らでホストしておけば例えGitHubが落ちた場合でも開発を続けられます。
完全に安全重視であれば自社管理のオンプレミスですが、まずはConoHaから始めるのもアリなのでは、と思います。
CD/CIサーバー・ランナー
筆者の場合はまだ必要性がない状態ですが、現代の開発においてCD/CIは外せない要素です。Jenkinsが今日も元気に走っている現場は多い……ですよね?(最近のそういう現場事情に正直疎い)
ともかく、その気になればCD/CIを完全に自分(たち)のアンダーコントロール下に置くことも可能なわけです。
また、GitHub Actionsには実は「セルフホステッド ランナー」という概念があり、必ずしもGitHubのインフラを用いなくてもよかったりします。特にiOSアプリのビルドで使われている(ような気がする)機能ですが、こういうところでもConoHa VPSは活きてくるでしょう。
「頭脳」を任せる
ここまでは「あるある」が多めでしたが、世はまさにGenerative AIの時代。要審査にはなるようですが、ConoHaは11月にGPUサーバーをサービスインしています。……少し話がズレますが、VRAMの容量が思わずよだれが出るほど大容量で……いいねぇ……(3070なのでLLaMA 2を動かすだけでもやっとな人)。
ファインチューニング向きのH100も提供されているので、プロンプトによる制御だけに頼らず、より意図した反応を返せる独自のモデルの開発など、今後この辺りでも活用される例が増えるかもしれません。多分ConoHaチームの中でもクローズドなこのはちゃんモデルの開発が進んでいそう。
まだまだGenerative AIは発展途上であり、課題もありますが、これもその気になれば……というのは特筆しておくべきユースケースなので書いた形です。
おわりに
超駆け足になりましたが、実はConoHaと「推し」という概念はけっこう相性がいいのでは?ということが伝わったかと思います。
最後にこの記事でお伝えしたいことを総括する動画を貼り、記事の一端の締めとします。皆さんも良き「推し」ライフを!
おまけ: ホロメンの名前をサーバーに付けていたら船長コラボが来た
僕ですか?「宝鐘海賊団に就職」にしました。まだ僕に船長を傍で支えられるだけの力はないけぇ……!
とはいえ近年のConoHaでは「ConoHa for GAME」というマルチプレイサーバー特化のプランも展開しており、ホロライブだけならずVTuberの、もっと広く言えば配信の世界でゲームのマルチプレイがカルチャーの一部となっていることを考えると、そこまで驚くようなコラボでもないな、というのも確かです。
「サーバー」という「推しを繋ぐ」存在へファンにも馴染んでもらいたい、参加するだけでなく自分で立ち上げる喜びを知ってもらいたい、という背景もあったのでしょう。
(猫耳ヘッドホンなこのはちゃん、かわいすぎません????????)
……と、ここまでなら「よかったね」で済む話です……が、本当に個人的な事情なのですが、僕はフラグ回収をしてしまったのです。
どういうことか、というと、一昨年書いたAdvent Calendar記事で、うっかりこんなことを書いてしまっていたのです。
(動かしているVPSの一つのネームタグがアキ・ローゼンタールさんなの……バレてしまいましたね?)
……ホロメン=ホロライブに所属するメンバーの名前をConoHaで運用しているサーバーにつけている、と。
アキ・ローゼンタールさんは「ARK: Survival Evolved」という恐竜サバイバルゲームにそのゲーム内キャラの風貌から「ムキロゼ」という謎の概念を生み出すほど熱中していることで有名であり、ConoHaではなく他社ではあれど、ARK専門のホスティング業者と契約して「ムキロゼ鯖」というサーバーを運用していたほどです。
また、AR/VRを使って自分のパフォーマンスを届けたい旨の発言をしており、高校時代に「VR/ARはカルチャーからショッピングまで全てを変える!」と両親にプレゼンし、Oculus Rift DK2を買ってもらった自分としては感銘を受け、彼女の名前をつけたのです。
……そうしたらアキ・ローゼンタールさんと同事務所所属である船長とConoHaのコラボが発生して、変な冷や汗が出てしまった、というのが現状です。「言霊」「言えば叶う」とは言いますけど、なんだこのフラグ回収。
更に言えば、蛇足になりますしAdvent Calendarの趣旨からも外れるためここでは割愛しますが、実は「言えば叶う」事態をここ近年も起こしているのです。
いや……ほんと……人生何があるか分からないものです……(まだいくつかあるフラグを横目で見ながら)
アイキャッチ画像はPexelsの「クラブ内の踊る人々のシルエット」を使用しています。